就職・転職

【転職がうまくいかない人向け】これでうまくいく企業研究のやり方

転職がうまくいかない人の特徴として事前の企業研究が不足している人がいます。

応募する企業のことをよく知らずに採用はありえません。

また、転職をしてこんなはずじゃなかったと後悔される人も多いと思います。

転職を成功させるためのステップとしてしっかりとした企業研究をすることが重要なります。

企業研究のやり方について紹介します。

この記事を読んでほしい人

  • 転職を成功させたい人
  • 転職を決意したが企業研究の方法がわからない人
  • 転職したが、会社があわず辞めたいと思っている人

筆者プロフィール

  • 現役キャリアコンサルタント
  • メーカー営業からキャリアコンサルタントへ転身
  • 20代から70代までの求職者支援活動中

転職がうまくいく企業研究の目的

りょう
まず、企業研究の目的を考えてみましょう。

自分の強みとマッチするかどうかを確認

いちばん重要な点は、自分の強みが活かせる企業なのかどうかを確認することです。

たとえば英語が得意なのに、英語を使うことがない企業に入社しても無駄になるだけです。

その企業に自分の活躍の場所があるのかどうかをしっかりと見極めましょう。

企業の求人ニーズの確認

また、企業における求人のニーズについて確認することが大事です。

企業には求人を出す理由があります。ある部署で欠員が生じた、これから事業を伸ばしていくために増員が必要など様々な理由があります。

そういったニーズを把握し、自分がそれにマッチする人材なのかどうか客観的に考えなければなりません。

ポイント

自己分析を通して把握した自分と企業のニーズとのマッチングを冷静に考え応募するすることが、転職を成功に導くためのコツです。

志望動機の答え探し

採用面接の場では必ず志望動機の質問が出ます。

企業研究をしていなければ、答えることができません。

なぜこの企業を応募したのか。その答えを企業研究で探し、見つけましょう。

企業研究で確認すべきこと

りょう
企業研究で確認すべきことを紹介します。

業種及び事業内容

業種

総務省の産業分類を紹介します。

大きくは下記の19種類に区分されています。

  1. 農業,林業
  2. 漁業
  3. 鉱業,採石業,砂利採取業
  4. 建設業
  5. 製造業
  6. 電気・ガス・熱供給・水道業
  7. 情報通信業
  8. 運輸業,郵便業
  9. 卸売業,小売業
  10. 金融業,保険業
  11. 不動産業,物品賃貸業
  12. 学術研究,専門・技術サービス業
  13. 宿泊業,飲食サービス業
  14. 生活関連サービス業,娯楽業
  15. 教育,学習支援業
  16. 医療,福祉
  17. 複合サービス事業
  18. サービス業(他に分類されないもの)
  19. 公務(他に分類されるものを除く)

ポイント

  • 自分の応募したい企業がどの業種に属しているか確認し、その業種の全体像を把握することが大事です。
  • これから将来性があるのかどうか。衰退していく業種なのかどうか見極めることが必要です。
  • 特にコロナ禍の中ですでに宿泊業や飲食関係は大打撃を受けています。これから先のことも予測することは難しいで企業研究においてマクロ的な視点での検証が求められます。

事業内容

具体的な事業内容を確認しましょう。

  • 何をメインで生産・販売・サービスを行っている企業なのか。
  • 取り扱い商品・サービスはなにか。
  • ターゲットの市場はどこなのか。ターゲットのお客様はどんな人・会社なのか。
  • 他社との比較においての優位性
  • 業界での位置づけ

事業内容を詳しく把握することが志望動機につながります。

ポイント

これから自分が働くフィールドを確認し、自分の活躍出来る場所なのかどうか確認することが大事です。

所在地

通勤時間

所在地の確認は通勤時間がどれだけかかるかを確認します。

電車・バス・自動車・自転車・バイク・徒歩などいろんな手段があります。

都会は電車・バスが一般的ですが、地方はマイカー通勤が一般的です。

会社に入り通勤時間がかかりすぎて辞める人もいます。平日の朝晩の時間帯での通勤時間をしっかりと確認しましょう。

拠点

規模の大きい企業だと転勤などの可能性があります。

また、同じ県内に拠点があったとしても入社後、拠点の集約がありこれまで通った事業所がなくなり遠方の事業所に集約されて通えなくなり、辞めざるを得なかった例もあります。

しっかりと自分の応募する事業所の所在地だけでなく他の工場や事業所がどこにあるか把握しておきましょう。

企業理念

企業理念は企業にとって軸となる最も大切なものです。

企業理念に基づいて従業員は行動します。

その企業の企業理念に共感でき、自分の価値観に近い企業を選ぶことも重要となります。

ポイント

  • 企業理念を知ることで、企業が求める人物像をつかむことができます
  • 企業理念に共感できるかどうか。自分の価値観に合っているかどうか確認しましょう。

参考

アマゾンの企業理念を紹介します。

地球上で最もお客様を大切にする企業になること

経営状況

企業の経営がどうなっているのか調べることが必要です。

入社してすぐ経営状況が悪くなり解雇されると元も子もありません。

経営状況をしっかりと把握しましょう。

決算状況

会社の経営状況を把握するために決算報告書を確認します。

決算を公開している企業

株式公開している会社であれば、インターネットや会社四季報などで確認できます。

現在が赤字でも、先々黒字の見込みがあるかどうかも確認しましょう。決算状況に応じて賞与などの金額が変わってくることもあります。

決算を公開していない企業

帝国データバンクなどの調査会社に登録して調べる方法がありますが、有料となります。

中小企業の場合ほとんど未公開ですので、会社訪問や面接などの訪問時に事業所の雰囲気で見極める方法があります。

  • 社員の応対がしっかりしているか。
  • 活気があるか。
  • 社員は活き活きと仕事をしているか。
  • きちんと掃除されているか。
  • トイレはきれいか。

株価

株式上場している会社であれば、株価を確認することをおすすめします。

現在の株価から過去の株価の推移を調べ株価が上昇しているのか低迷しているのかをチェックし、その原因を掴んでおくことも大事です。

現在は株価が安くても将来的に大きく伸びていく会社はあります。そういった企業を見極める力を養うことも身につけていきましょう。

将来展望

企業の将来性を見極めるのも大事です。

企業の中期経営計画など公表している会社ならその資料で確認できます。

将来を見越してこれから伸ばしていく分野などをチェックしましょう。

自分が投資家になったつもりで判断するといいと思います。この企業に投資する価値があるかどうか。

また顧客になったつもりで判断する方法もあります。この企業に仕事を依頼してみようと言う気になるかどうか。

ポイント

投資家や顧客になったつもりで企業を判断する方法があります。

沿革

沿革とはその企業のこれまでの歴史です。

どういう経過で今日まで至ったのかを確認します。

  • どのようにして会社を拡大してきたのか。
  • 創業者は誰で現在の社長との関係は。
  • 現在の社長は何代目なのか。
  • 過去リストラをしていないか。

歴史を知ることでこれからの未来が推測できることもあります。

組織と従業員

事前にどんな組織で企業が成り立っているか。また、従業員の特徴を掴んでおきましょう。

組織形態

大きく3つのパターンがあります。

機能別組織

機能別組織は個々の機能を単位化した組織形態です。

中小企業で多くみられる組織です。

事業部制組織

事業部制組織は製品や地域といった単位で事業部ごとに部門が分けられる組織形態です。

組織が大きくなると事業部制で組織化するケースがあります。

ポイント

  • 応募する会社の組織形態がどの形態かを確認しておきましょう。
カンパニー制組織

カンパニー制組織は事業部制組織のもつ独立採算主義をさらに徹底した組織形態です。

事業を多角経営している大企業に採用されることが多いです。

従業員

入社して仲間となる人達について確認しましょう。

従業員数

従業員数や資本金の金額で中小企業の基準は下記のとおり決められています。

大企業は、中小企業のように法律上定められた定義がありません。

大企業とは一般的に中小企業の基準を超える企業を指しています。

◆中小企業の定義

◆小規模企業の定義

業種分類 小企業の定義
製造業その他 従業員20人以下
商業・サービス業 従業員5人以下

出典:中小企業庁HPより

平均年齢
企業規模 男性 女性
大企業 42.9歳 40.5歳
中企業 43.5歳 42.0歳
小企業 45.6歳 43.1歳

出典:厚労省 令和元年賃金構造基本統計調査より

ポイント

  • 会社の規模が大きいほど平均年齢が低い傾向があります。

勤務形態

2019年4月から働き方改革関連法が順次施行されました。

詳しくはコチラ

また、新型コロナ感染拡大以降、在宅勤務が奨励されていますが、まだまだ浸透しているとは言えません。

勤務時間

労働の対価として給料をいただくわけですが、働いた分それに見合った報酬が保証されていなくてはいけません。

労働基準法で定められている法定労働時間は下記のとおりです。

働いてから、実際は違っていたなどと悩まないようしっかりと確認しましょう。

  • 使用者は、原則として、1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはいけません。
  • 使用者は、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えなければいけません。(労働基準法)
残業

仕事には残業がつきものですが、残業が多すぎて辞める人もいます。法律で決められている36協定を紹介します。

  • 使用者が残業(法定時間外労働)や休日勤務(法定休日における労働)を命じるためには「36(サブロク)協定」の締結の締結と所轄労働基準監督署長への届け出が必要です。
  • 36協定の限度時間内でしか残業できません。(限度時間の例 1ヶ月:45時間 1年:360時間

また、特別な事情がある場合、1年の内6ヶ月までの範囲について特別条項付き協定をすることも認められています。

  • 時間外労働 年720時間
  • 時間外および休日労働 月100時間未満
  • 時間外および休日労働 2ヶ月ないし6ヶ月のそれぞれにおいて、月平均80時間以内

このような労働をなるべく抑制する観点から、使用者に割増賃金を義務付けています。

  1. 法定労働時間を超えて働く場合:25%以上の割増賃金
  2. 法定休日に働く場合(休日労働):35%以上の割増賃金
  3. 深夜に働く場合(午後10時〜午前5時):25%以上の割増賃金
  4. 1+3(法定時間外+深夜):50%以上の割増賃金

休日

  • 使用者は、少なくとも毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければなりません。

◆年次有給休暇とは

  • 使用者は、労働者が6ヶ月間継続勤務し、その6ヶ月間の全労働日の8割以上を出勤した場合は、10日(継続または分割)の有給休暇を与えなければなりません。
  • 6ヶ月の継続勤務以降は、継続勤務1年ごとに1日づつ、継続勤務3年6ヶ月以降は2日づつを増加した日数(最高20日)を与えなければなりません。

転勤有無

転勤があるかどうかのチェックも重要です。

子供がいる場合は、単身赴任するケースも出てきます。単身赴任は出費がかさみ家計を圧迫し、精神的にもきついものがあります。

しかし異動は企業にとって大事な活動のひとつです。

配置した人を異動させる目的

  1. 適材適所に配置する。
  2. 人を育てる。
  3. 従業員のモチベーション維持と向上を図る。

企業の目的は、経営理念、経営戦略の実現を可能にするためです。個人のキャリア形成において新たな経験を積みながら、人材として成長していくことになります。

待遇

給与・賞与

求人を見る場合、必ずチェックする重要な項目です。

収入によって生活がかかってきます。しっかりと確認しましょう。

  • 入社時点の給料はいくらか
  • 昇給はあるか
  • 賞与は何ヶ月か

手取りの賃金についての記事を紹介します。

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各種手当

手当には職務手当生活手当があります。

  • 職務手当-役職手当、資格手当、作業手当、技能手当
  • 生活手当-家族手当、住宅手当、通勤手当、地域手当、食事手当

これらは基準賃金内の手当となります。

基準外賃金として、残業手当、休日労働手当、深夜労働手当があります。

昇進・昇格

昇進」とは、地位が上昇することです。係長→課長→部長のように役職が上がることです。

「昇格」とは、企業の中で制定した職能資格制度によって定められた能力を示す等級が上がることをいいます。

これらは、給料にも直結しますので、応募する企業の制度がどうなっているのかもできるだけ確認しましょう。

福利厚生 

「福利厚生」とは、企業の限られた原資の中で従業員のニーズに対応した質の高いメニューが選択できるような施策や制度です。

  • 法定福利厚生-法律で義務付けれれた福利厚生です。健康保険、厚生年金保険、雇用保険、介護保険があり給料から天引されます。
  • 法定外福利厚生-企業が任意で独自に設ける福利厚生です。社内会費、社宅費、保養所施設、住宅融資など

最近では、資格取得費用やいろんなメニューから選ぶタイプがありますので事前に調べておきましょう。

社員像

企業で働く人の社員像を確認するには、前述の企業理念を調べることが有効な方法です。

その企業の価値観に共感して入社した人たちなので、まさにその企業の求める社員像になります。

その他、OB訪問などの方法がありますが、まったく情報がない場合は会社訪問や工場見学などをお願いし事前に企業を訪問することをおすすめします。

職場環境

働く場所の環境を確認することはなかなか難しいところがあります。

面接時も職場と別の場所で行うことが多いですし、職場見学や工場見学なども必ず出来るわけではないです。

特に工場で働く場合は、立ち仕事なのか、冷暖房は完備されているのかなど自分にとって重要な点は必ず事前に確認しましょう。

ポイント

  • 会社訪問、工場見学が可能であれば必ず確認しましょう。

企業研究の確認方法

企業のホームページ

企業の公式ホームページには、企業の写真企業概況、経営理念、業務内容、IR情報など、企業をアピールする情報が掲載されています。必ずチェックしましょう。

会社説明会

企業が個別に行う会社説明会や、複数の企業で開催する合同企業説明会などに足を運べば、その企業で働いている社員にじかに会うことができます

事業内容や企業の今後の方向性に加えて、社員が自分の仕事内容について説明してくれることも多く、社員の生の声を聞くこともできます。

リクナビの企業ページ

リクナビの企業ページには、企業の情報が掲載されています。企業情報や採用情報などの項目が統一されているので比較検討がしやすく、サイト上で応募ができる点も便利です。

業界地図

『業界地図』という書籍が、複数の出版社などから出版されています。これらの書籍は、業界における各企業の位置づけや立ち位置を知るのに役立ちます

希望の企業については、同業他社との違いを知り、志望動機をまとめるうえでもぜひ活用しましょう。

まとめ

企業研究のやり方についてまとめました。

転職を成功させるために重要なことは入念な事前準備です。

事前準備として、しっかりとした企業研究と自己分析を行うことで希望の企業に入社する可能性が高くなります。

ご健闘をお祈りいたします。

転職を成功させるための自己分析のやり方をキャリアコンサルタントが伝授します

転職をする人の動機は人それぞれ色んな理由があります。 職場の人間関係、パワハラ、いじめ、会社が倒産したなど外的な要因。ステップアップ、やりたいことが見つかった、給料を上げたいなど内的な要因があります。 ...

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