就職・転職

【製造業に就職・転職したい人向け】未経験でも大丈夫?業種紹介・仕事内容を解説します

これから就職・転職を考えている人で製造業もどうなのかと思っている人もいると思います。日本はこれまで材料を輸入し、加工して海外に輸出をし経済発展を遂げました。しかしながら昨今、グローバル化の中で、中国や韓国、さらにアジア諸国の追い上げを受け、厳しい状況と思われがちですが、それでも日本経済を支える一大産業です。

様々な技術革新でまだまだ伸びていく可能性もあり、就職先の1つとして考えていただけたらと思います。

こんな方におすすめ

  • 製造業で働きたいけどどんな業界なのかよく知らない人
  • 製造業にどんな仕事があるか知りたい人
  • 製造業は未経験けど大丈夫かなと思っている人

この記事の信頼性(筆者プロフィール)

  • 37年間電子部品・デバイス業界で勤務(バブル崩壊、リーマンショックなど幾多の危機を経験
  • 法人営業部門で50社以上の会社と取引をしてきた経験あり(いろんな業界、会社を見てきました
  • 生産事業部門の中枢で、開発、生産、品質管理、製造部門の総括経験あり(いろんな部署の人と接してきました

 

製造業の業種の紹介

けいこさん
どんな業種があるんですか?
りょう
総務省の「日本産業分類」に基づき23の業種に区分されています。

業種内訳

食料品 飲料・たばこ・飼料 繊維工業品
木材・木製品 家具・装飾品 パルプ・紙・紙加工品
印刷・印刷関連 化学工業品 石油・石炭製品
プラスチック製品 ゴム製品 革・毛皮製品
窯業・土石製品 鉄鋼品 非鉄金属
金属製品 汎用機械器具 生産用機械器具
業務用機械器具 電子部品・デバイス 電気機械器具
情報通信機器 輸送機械器具 その他

メモ

  • 具体的な製品名で分類されていますので、イメージが湧くと思います。
  • 私たちの身の回りの製品がいずれかの分類に当てはまります。
  • その他は貴金属、めがめ、時計、玩具、楽器などです。

業種別出荷額

出典:経済産業省2018年データ、4人以上の事業所

(単位:兆円、青字;20兆円以上赤字:10兆円〜20兆円青太字1位

業種 出荷額
合計 331.9
輸送機械器具 70.1
食料品 29.8
化学工業 29.8
生産用機械器具 22.0
電気機械器具 18.8
鉄鋼 18.7
電子部品・デバイス 16.1
金属製品 15.8
石油・石炭製品 15.0
プラスチック製品 13.0
汎用機械器具 12.3
非鉄金属 10.2
飲料・たばこ・飼料 9.8
窯業・土石製品 7.8
パルプ・紙・紙加工品 7.5
業務用機械器具 6.9
情報通信機器 6.9
印刷・印刷関連 4.8
繊維工業 3.8
家具・装飾品 1.9
革・毛皮製品 0.3
その他 4.2

ポイント

  • 上位5業界で5割を占めています。
  • 1位はダントツで自動車業界を含む輸送機械業種となっています。

2018年の自動車製造業の製造品出荷額等は前年より2.6%増の62兆3,040億円、全製造業の製造品出荷額等に占める自動車製造業の割合は18.8%でした。

また、自動車関連産業の就業人口は542万人にのぼります。このように自動車産業は、日本経済を支える重要な基幹産業としての地位を占めています。(日本自動車工業会HPより引用)

事業所数

(単位:万箇所、青字;1万以上赤字:0.5〜1万青太字1位

業種 事業所数
合計 18.51
食料品 2.44
飲料・たばこ・飼料 0.39
繊維工業 1.11
木材・木製品 0.48
家具・装飾品 0.47
パルプ・紙・紙加工品 0.54
印刷・印刷関連 0.99
化学工業 0.46
石油・石炭製品 0.09
プラスチック製品 1.22
ゴム製品 0.23
革・毛皮製品 0.11
窯業・土石製品 0.92
鉄鋼 0.41
非鉄金属 0.25
金属製品 2.52
汎用機械器具 0.66
生産用機械器具 1.84
業務用機械器具 0.38
電子部品・デバイス 0.39
電気機械器具 0.84
情報通信機器 0.12
輸送機械器具 0.97
その他 0.67

ポイント

  • 上位5業界で5割を占めています。
  • 1位は金属製品業種となっていますが、出荷額では8位ですので、規模が小さい事業所が多い傾向にあります。

従業員数

(単位:万人、青字:50万人以上赤字:10万人〜50万人青太字1位

業種 従業員数
合計 777.8
食料品 114.6
飲料・たばこ・飼料 10.4
繊維工業 24.8
木材・木製品 8.9
家具・装飾品 9.3
パルプ・紙・紙加工品 18.7
印刷・印刷関連 25.4
化学工業 37.5
石油・石炭製品 2.6
プラスチック製品 45.0
ゴム製品 12.0
革・毛皮製品 2.1
窯業・土石製品 24.0
鉄鋼 22.4
非鉄金属 14.0
金属製品 61.2
汎用機械器具 33.0
生産用機械器具 62.2
業務用機械器具 20.9
電子部品・デバイス 41.4
電気機械器具 50.3
情報通信機器 69.5
輸送機械器具 109.3
その他 15.3

ポイント

  • 上位5業界で5割強を占めています。
  • 1位は食料品業種と2位の輸送機械業種で全体の3割弱をしめています。自動車業界は92.3万人です。

平均給与

(単位:万円 青字:平均以上赤字:平均以下

業種 現金給与
全業種平均 456
食料品 295
飲料・たばこ・飼料 413
繊維工業 290
木材・木製品 357
家具・装飾品 395
パルプ・紙・紙加工品 415
印刷・印刷関連 408
化学工業 550
石油・石炭製品 670
プラスチック製品 404
ゴム製品 449
革・毛皮製品 290
窯業・土石製品 453
鉄鋼 555
非鉄金属 532
金属製品 428
汎用機械器具 530
生産用機械器具 514
業務用機械器具 487
電子部品・デバイス 516
電気機械器具 496
情報通信機器 552
輸送機械器具 566
その他 388

 

ポイント

  • 11業種で平均を超えています。
  • 1位は石油・石炭製品業種となっています。この業種は事業所数が最下位、従業員数が22位と下位になっています。

製造業の特徴

先行投資が必要

製造業は原材料を加工・組立を行って製品を生産するため、原材料費の他にも工場や加工組立機械等の設備投資費、新技術等への研究開発などを必要とします。

裾野が広い

製品を生産するためには原材料や機械設備などを必要とするため、製品に関連する他の産業の生産活動にも影響を与え、裾野が広いです。例えば、自動車のように大量の部品、大規模な工場を必要とする製品において顕著となります。製造業の動きが景気に影響を与えるのは、関連の産業への波及効果が大きいためです。

生産財と消費財

生活用品、電気製品や自動車など消費者がよく目にする製品消費財と言われ一般におけるブランドの認知度が高いです。

一方、産業用機械設備や電子部品、化学品などの素材などは生産財と言われ、たとえ世界市場におけるシェアがトップクラスであっても一般の認知度が低いです。

 

仕事内容

商品企画

商品企画は、魅力的な製品を作るために、商品の企画・構想を行う仕事です。市場調査などを行い、他社との差別化を図る必要があります。顧客のクレームなどからヒントを得て、新商品の企画構想を練ることも仕事のひとつです。

研究開発

商品の開発において、最新の技術を取り入れたり、これまでの技術を応用したりして製品の品質向上に努めるのが研究開発の仕事です。製造業において、より良い製品を世に送り出すために、研究開発は欠かせません。

設計

企画・構想されたアイディアを実際に商品化するために設計し、図面化します。指定されたコスト内で条件をクリアできる図面を設計する必要があるため、より安く品質の良い物を作るための知識や技術が必要となります。

生産技術、製造技術

生産や製造は、設計された図面から実際に製品を作る仕事です。設計どおりに作ることが最も重要な役割となります。実際に規格どおりに作ることができない場合には、改善しながら作業を行う必要があるため、技術力やたゆまぬ努力が必要となります。

製造

工場で商品を生産する仕事です。材料の受け入れ検査、工程での作業、生産設備の運転、工程の管理、出荷検査、梱包などを行います。

生産管理、調達

工場で生産する製品の生産を管理する仕事です。営業からの販売情報からの生産計画の作成、材料の調達、出荷までの生産工程の管理を行います。

品質管理

品質管理は、品質を保証するための規格を定めた上で、安心・安全な製品を市場に出す仕事です。顧客に不良品を渡さないためにも、検査などを繰り返し行います。

営業・マーケティング

営業は、製品を販売することだけでなく、顧客のニーズやトレンドをとらえて製品へ反映させることも行います。製品の販売方法や販売後の対応なども、営業の大切な役割となります。

マーケティングは、商品戦略、販売戦略、プロモーションなどを行います。売るための仕組みをつくるのが大きな役割です。

管理部門

人事、総務、経理、法務などです。組織を運営・管理する仕事です。

 

未経験でも大丈夫です

製造業は未経験の方でも就職・転職しやすい業種です。

製造部門

特に大手の会社ですと、しっかりとした仕事のマニュアル、作業手順書があります。これは、ほとんどの会社が商品を販売するために、品質を保証するISO認証を取得しており、仕事をマネジメントするためのマニュアルが必須だからです。

さらに、資格制度や、研修制度が充実していますので、基礎知識がなくても、入社してから学ぶことができます。

その他部門

開発・技術部門

理工系の人であれば就職・転職しやすいです。

製造業は理工系の人材が不足しており、門戸を広く開けています。

営業、企画、管理部門

いろんな人の集合体ですので未経験の方でも就職・転職しやすいです。

営業部門は、人とコミュニケーションを取れる人ならば誰でもできます。実際にいろんな人がおり、元開発者、元製造部門の人、元経理、元人事、変わったところで元役者の人もいます。

管理部門も、様々なキャリアを持った人がいますので安心です。

 

製造業で働くメリット・デメリット

メリット

  • 製造現場は時間管理がしっかりしているので働きやすい
  • 住宅手当、家族手当、残業手当など福利厚生が充実している
  • 組合があり、労働環境が良い
  • 資格制度・研修制度が充実している
  • 安定した経営基盤なので生活設計がたてやすい

デメリット

  • 業種によっては景気に左右されやすい
  • 製造部門は単純作業が多い
  • 業種によっては労働環境が良くない
  • 交代勤務だとライフサイクルが乱れる
  • 業種によっては配置転換が多い

仕事を選ぶポイント

業種を選ぶか企業を選ぶか

  • 業種にこだわらなければ、優良と言われる企業に入ることをおすすめします。
  • 業種にこだわるのであれば、自分の価値観で好きな業種を選びましょう。好きであれば、入社しても勉強しますので自分の得意分野にすることができます。

従業員を大事にする会社どうか見極める

  • 福利厚生が充実しているか確認する
  • 休暇制度はどうか確認する

将来性がどうか

  • 財務状況と中期計画を企業のホームページで調べる。
  • 会社のホームページでCSRの取り組みを見て、新入社員の定着率、離職率など調べる

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まとめ

製造業で働きたい人向けに、どんな業種があり、どんな仕事があるかまとめました。また製造業で働くメリット、デメリット、仕事を選ぶポイントについてもお伝えしました。

製造業でもやっていけそうだ!と思われたのではないでしょうか。

ぜひご検討ください。

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